#111 春の夢 宮本輝

 学生の頃、友人に面白いから読んでみてと進められて、序盤でやめてしまいましたが、久しぶりに手に取り、25年ぶりにやっと読了しました。

文学界で連載中は棲息というタイトルだったみたいですね。

ある日、ひょんな拍子に一匹の蜥蜴を部屋の柱に打ち付けてしまいます。しかし、蜥蜴は死なずに生き続けます。主人公の青春、環境が一匹の蜥蜴とリンクします。

思想、哲学、様々な人間模様が描かれて、昭和臭さ、貧乏臭さがまた昭和生まれには心地よく感じました。素晴らしい小説でした。